――エリカの役作りはどのようにされたのですか?
難しい役どころをあのような説得力を持って
演じられたのはどうしてですか?
ラジオ局にリサーチに行ったとき、ふと思ったの。
エリカの肉体は存在しない。あるのは声だけだと。
あの事件が起きる前から、そして起きた後も。
そして彼女の中の一部分が銃を必要としていた。
「生きていたい」という思いを有形化したかったのね。
そうでなければ自分の存在が消えてなくなってしまうから。
そのことに気づいたとき、エリカのキャラクターが出来上がったの。
話し方、歩き方、腕の組み方、話し方などすべてよ。
――彼女は何故、婚約者の後を追わず(自殺しようとせず)に
生きる決心をしたのだと思いますか?
いい質問だわ。
何故かというとこの映画はそこに向かって展開していくから。
エリカは一度でも「生きたい」という
人間の絶対的な必要性を甘受してしまったからよ。
だから彼女はもうそこから逃れることはできないの。
――この役を演じるにあたって
特別なリサーチなどされましたか?
実際リサーチと言えるほどのことはしていないけれど、
PTSD(心的外傷後ストレス障害)については
少し調べたの。
でも全く役に立たなかったわ!(笑)
彼女のケースは変わっているから。
常識はあてはまらなかった。
虐待や暴行や受けると
女性は内に溜め込む傾向があって、
その結果がアルコール依存や幼児虐待、
夫を射殺したり、あるいは自殺・・・
となるのが一般的な考えよね。
女性が見知らぬ人間をこんな風に殺せるのか?と。
自分の中に
「私は死なない 代わりにあなたを殺す」
という感情が潜んでいたなんて驚くべきこと。
でも女性の観客がこの映画を観たとき、
驚きと同時にどこか覚えのある感覚に
はっと息をのむと思う。
虐待を経験した女性なら
きっと「絶対に自分は破滅したくない」と思う
暗い影の部分があると思うの。
(次回に続く)
2007年10月16日 六本木グランド ハイアット東京にて
【インタビュー+翻訳文:長谷川智子(「シネマ・アイ」プロデューサー)】
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