<内容>
1970年のローマ。とある高級マンションを見上げる男(ジャン・マリア・ヴォロンテ)。カーテンの向こうから女が微笑を浮かべる。部屋に向かった男は、女を殺した。故意に血痕のついた足跡を残し、女の爪に自分のネクタイの糸屑を絡ませ、丁寧に警察に通報すると、その足でローマ警察へ出勤した。その日は殺人課の課長であるその男の、公安部長への昇進祝いの日でもあった。シャンパンで乾杯の後、後任の課長はただちに通報のあった事件の捜査を開始し、公安部長であるその男も現場検証に向う…。
<見どころ>
“罪を犯さぬ者”の殺人を軸に、権力機構の狂気を暴き出す社会派サスペンスの傑作。巧妙かつ複雑な構成で主人公と観者の精神をにじり寄るように追い詰めていく手法は圧巻。監督はイタリア映画の比類なき名匠、エリオ・ペトリ。また巨匠エンニオ・モリコーネが極めてドライな音楽で全体を締め上げる。主演を務めたジャン・マリア・ヴォロンテの怪演にも注目。
<受賞歴>
1970年度 アカデミー賞外国語映画賞
1970年 カンヌ国際映画祭審査員特別賞グランプリ、FIPRESCI(国際映画批評家連盟)