<内容>
少年モンドは、ある日どこからともなく南仏ニースにやってきて、気づいた時には町に馴染んでいた。自然とたわむれる日々を過ごしながら、気に入った人がいると「僕を養子にしてくれる?」と無邪気に尋ねるモンド。無垢な彼と触れ合うにしたがい、周囲の大人たちは彼を可愛がるようになる。ある日、モンドはベトナム人の老女ティ・シンと出会い、はじめて自分の居場所を見つけたように思えたのだが…。
<見どころ>
現代フランスを代表する作家ル・クレジオの『海を見たことがなかった少年~モンドほか子供たちの物語』の中の1編の映画化。南仏の美しい風景を背景に、突然人々の前に現われ、人々が忘れかけた優しさや幸せを思い出させる少年の姿を描く。監督は、前作「ガスパール~君と過ごした季節~」でも放浪する主人公を描き、近年は自らのルーツであるロマ族をテーマに作品を作り続けるトニー・ガリフ。マイノリティや社会から疎外された人々へ注がれる彼のまなざしは、限りなく優しい。閉ざされた現代人の心を浄化させる、心あたたまる秀作。
<受賞歴>