<内容>
病の床につき、口述筆記もままならない作家マルセル・プルースト。昔の写真を眺めながら、彼は過去の思い出に浸って行く。第一次世界大戦下、マルセルはヴェルデュラン夫人のサロンで元高級娼婦オデットを見かける。オデットの娘、ジルベルトはマルセルの初恋の人。彼女は貴族のサン=ルーと結婚したが、サン=ルーは音楽家モレルと同性愛の関係で、二人の結婚生活はうまく行っていなかった。そして、恋人アルベルチーヌもマルセルは失った。失った先にマルセルが見るものとは…。
<見どころ>
マルセル・プルーストの大作『失われた時を求めて』の最終章「見出された時」をチリ出身監督ラウル・ルイスが映画化。最終章の映画化と言われながら、映画化不可能と言われた『失われた時を求めて』全体を映画化したとも言える、プルーストの世界が凝縮された傑作。時間軸を自由に行き来し、ある時は脱線し、また小物や音楽から物語が展開する様は、原作の持つ独特のムードを極めて忠実に再現する。カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベアール、ジョン・マルコヴィッチといった名優たちが揃ったキャストからも、『失われた時を求めて』映画化の決定版と言える。唯一の無名とも言えるイタリア人俳優マルチェロ・マッツァレッラが驚くほどプルーストになりきり、声をフランスの名演出家パトリス・シェローが吹き替えているのも興味深い。
<受賞歴>
1999年カンヌ国際映画祭正式出品作品