<内容>
1911年のベニス(ヴェネチア)。静養に訪れたドイツの著名な作曲家・指揮者であるグスタフ・アシェンバッハは、到着したホテルでポーランド少年タジオに目を奪われる。それは彼が長い間追い求めていた完璧な美であった。静養に来たはずが、タジオへの想いと過去の忌まわしい記憶に囚われ、悶々とする日々を過ごす。やがて、重苦しい天候と募るばかりのタジオへの憧憬に耐えられなくなった彼は、ベニスを後にすることを決意する…。
<見どころ>
トーマス・マンの自伝的同名小説を、イタリアの巨匠ルキーノ・ヴィスコンティが映画化。主人公の作家はグスタフ・マーラーを彷佛とさせる作曲家へと変えられ、音楽にマーラーの交響曲5番を使用。哀愁を帯びた耽美的なこの曲は物語をさらに甘美に盛り上げる。主演のダーク・ボガードは醜くも美しく朽ちる老作曲家を繊細に表現。自身の最高傑作だと認めている。また、タジオ役の選出には大変苦労し、その甲斐あって、探し出したビョルン・アンドレセンはこの世のものとも思えない美しさをスクリーンに放っている。ドイツ3部作と呼ばれる作品のひとつ。
<受賞歴>
1971年カンヌ国際映画祭 25周年記念賞(ルキーノ・ヴィスコンティ)