テネシー・ウィリアムズは、マリリン・モンローと結婚したアーサー・ミラーとともに、戦後アメリカの劇壇で人気を二分した名劇作家である。自身の出身地であるアメリカ南部にこだわり続け、南部的な偽善によって無意識に抑圧された人間の欲望をするどく抉り、代表作「欲望という名の電車」「熱いトタン屋根の猫」で2度のピューリッツァー賞に輝いた。
名匠エリア・カザンが映画化した「欲望という名の電車」は、反発しあいながらも強烈に惹かれあう男女をマーロン・ブランドとヴィヴィアン・リーが熱演し、アカデミー賞4部門を受賞した名作。特に、南部の誇り高き女ブランチ役を演じたヴィヴィアン・リーの鬼気迫る演技は圧巻で、「風と共に去りぬ」と並ぶ代表作の1本に数えられる。
「熱いトタン屋根の猫」は、テネシー・ウィリアムズ自身、最もお気に入りの1本と語る同名戯曲を「冷血」のリチャード・ブルックス監督が映画化。デビュー間もないポール・ニューマンが妻マギーと親友との三角関係に悩む主人公ブリック役を演じ、脚本を読んでマギー役を熱望したというエリザベス・テイラーとともに、抜群の存在感を見せる。アカデミー6部門にノミネート。
「渇いた太陽」は、「熱いトタン屋根の猫」と同様、リチャード・ブルックス監督、ポール・ニューマン主演による南部の匂い香るヒューマン・ドラマ。野心あふれる俳優志望の青年チャンスをニューマンが好演し、チャンスの初恋の女性の厳格な父親フィンレイを演じた名優エド・ベグリーがアカデミー助演男優賞を受賞した。
「夕なぎ」は、テネシー・ウィリアムズには珍しい哲学的な舞台劇を彼自身が脚色し、鬼才ジョセフ・ロージーが映画化。美しいナポリ湾に浮かぶ孤島を舞台に、死の恐怖に怯える女大富豪をエリザベス・テイラーが熱演する。 |